こだわりは「ものづくりのまち」に自分で建てたかった「夢の城」
「建てるなら、自分の手で」技術畑で生きてきたこだわりがある。
自分にも建てられる、身の丈にあったものを。じっくり考えぬいたとき、一棟の木の家に辿りついた。
海沿いの町、住宅街の一画にひときわ明るい木の建物
三月、遠州灘に春の訪れ。
ほころぶ日差しまばゆく、来る人、来る人を迎え入れる。
浜松は、東海地方屈指の「ものづくりのまち」。繊維、楽器、自動車、光・電子技術関連等々産業が盛ん。
その一方で、多様な自然は折り紙つき。
西の浜名湖は言うに及ばず、東に天竜川、北に赤石山系、そして、南には美しい砂浜が広がる。
海沿いの町、その住宅街の一画に、ひときわ明るい、小さな木の建物はあった。
南に向かって立ち上がる片流れの屋根。太陽の光を思わせるようなほがらかな茶色─。
よく見ると、母屋らしき住宅に寄り添うように建っている。一体、この建物は何のためのもの?
「物置みたいなものですね」
そう語るのは、オーナーの高橋さん。ううむ、なんとも、洒落た、物置もあったものだ!?
オーナーさん曰く「物置」に貴重なオーディオ機器がずらり
その物置、一歩足を踏み入れてびっくり! そこには、ところせましとオーディオ機器がずらり。
「学生の頃から好きなんです。高校の終わり位から。自分で作ったり、買い集めたりして」
真空管アンプだけで20くらいはあるだろうか。
目にするスピーカー、プレーヤーには、JBL、TRIO、KEF、サンスイなど、
海外製品、年代ものなど、貴重なロゴが並ぶ。
「これは、20数年前に作ったアンプ。真空管6GA4が製造中止になるときに、それを使いました」
見せていただくと、それは、それは見事な出来栄え!
それも、そのはず、高橋さんは、市内のカメラ関連の企業にお勤めの技術屋さん。
「音が出た時は、嬉しかったですねえ! 昔、親父と一緒に作ったスピーカーに繋げて使いました」
どしゃぶりと雷の中 着工一日で棟上げまで
そんな、高橋さん、この度のキットハウスも、もちろん、ご自身の手で、セルフビルドした。
きっかけは、去年。この地に新居を構え移り住んだが、物置が必要になった。一般のものだと高い。
何とか安くしたい。手作りするか…。
「実は、20年ほど前、3坪くらいのログハウスを作ったことがあったんです。
子供の勉強部屋として。だから様子はわかっていました」
もう一回手作りしたい。でも、前回より大きいものを考えているし、年齢的、体力的にもキツい。
そんなときに、親和木材工業さんのログキットハウスのことを知った。
「軽いし、壁が積み上がる前でも、柱が建って棟上げすれば、シートをかぶせて雨も防げる。
この工法ならできると思いました」
向学のための努力は惜しまない。展示場に足を運び実物を見る。本社を訪ねて社長に話を聞く。
同じ工法「板倉造り」を見に、足を延ばした先は、なんと奈良・正倉院。
「ところが、東大寺が修復中で、見れなかったんです(笑)」
さあ、プランはどうしよう。前回の6畳だとせまい。でも、音響的に正方形はよくないから8畳もだめ。
敷地の収まりを考えると、12畳くらいがちょうどいいか。本宅の屋根が片流れだから、対照的に同じ片流れがいいだろう。
基礎は業者に頼んだ。着工は7月19日。人手は、親和木材さんから2人、親戚3人の計6名。
梅雨明けの空に作業開始、ところが…!
「ものすごい通り雨で、どしゃぶりと雷の中、棟上げです(笑)。でも、一日でそこまで出来ました」
そこから先は、土日を使ってコツコツと。大変だったのは真夏。仲のいいいとこ「モリちゃん」に手伝ってもらい屋根張り。
できるだけ朝・夕に作業した。それでも…、
「何で、こんなに暑いときに!」
だけど、作業後に流し込むビールの美味しかったこと!何やかんやで11月、物置ならぬオーディオルームは完成した。
ワンポイントアドバイス
木のこだわりを持って自分の城をつくりあげられた高橋さんには感服致します。
さらにハウスを十二分に利用され楽しんですごされているご様子で私どももうれしい限りです。
弊社は、木へのこだわりを持ち国産間伐材利用により、
独自の乾燥技術と加工方法で木の特徴を生かしたログハウスを提供しております。